【中級編】ポストフロップの戦い方 part4 〜正しいアクション〜

目次

今回のテーマは「ポストフロップのアクション」

ジョーズ

前回までは「自分のハンドの強さを測る方法」について説明してきたよ。
ハンドの強さを測るためには、相手のレンジを強さ順に並べたランキング表が必要なんだったね。
そしてそのランキング表を作るためにレンジのヒントボードテクスチャーがあるってわけさ。

ジョーズ

前回までは「自分のハンドの強さを測る方法」について説明してきたよ。
ハンドの強さを測るためには、相手のレンジを強さ順に並べたランキング表が必要なんだったね。
そしてそのランキング表を作るためにレンジのヒントボードテクスチャーがあるってわけさ。

チンアナゴ

うん、そんな話だったね。レンジのヒントが「じっくりコース」、ボードテクスチャーが「らくらくコース」だっけか。

f:id:Poker_JAWS:20180820044216p:plain
ポストフロップのガイドライン①
チンアナゴ

それでそれで?今回はどんな話をしてくれるの?

ジョーズ

今回はいよいよポストフロップのアクションについて説明するよ。どうすればポストフロップで正しいアクションを選ぶことができるのか、詳しく解説していくね。

チンアナゴ

おっけー!よろしくね。

ハンドの強さとアクションの関係

ジョーズ

さて、アクションについては【初級編】のこの記事で一度説明してるよ。覚えてるかな?

チンアナゴ

うん、バリューベットとかブラフベットとかの仕組みを教えてくれたよね。

ジョーズ

ベット・レイズ・チェックは「利益を最大にして、損失を最小にする」のがポイントだったね。僕はこれを「正しいアクション」と呼んでるよ。
逆に間違ったアクションを選ぶと、せっかくのチャンスで大きく稼げなかったり、ピンチのときに損失を大きくしちゃうんだね。

チンアナゴ

うんうん、確かにそんな話だった気がする。

ジョーズ

正しいアクションにはバリュー(ベットorレイズ)、ブラフ(ベットorレイズ)、チェックの3種類があるんだったね。チンアナゴちゃん、一つずつ説明してくれるかな?

チンアナゴ

自分より弱いハンドにコールさせるベットがバリューベット、自分より強いハンドをフォールドさせるベットがブラフベット、バリューもブラフも成立しないときにするのがチェック、でしょ?レイズもベットとおんなじだよね。

ジョーズ

そのとおり!よく覚えてたね。
まず最初に説明したいのは、自分のハンドの強さと正しいアクションの関係なんだ。下の画像を見てごらん。

f:id:Poker_JAWS:20180830021608p:plain
ポストフロップのガイドライン②:バリュー
ジョーズ

相手のレンジのランキング表が三つのゾーンに区切ってあるのがわかるかな。ランキング表の下から0〜40%のゾーン、40〜60%のゾーン、そして60〜100%のゾーンだね。
自分のハンドがどのゾーンに位置するかによって、取るべきアクションの目安が決まるんだ。

チンアナゴ

ふーむ。例えば?

ジョーズ

例えば、セットやツーペアみたいな強いハンドは60〜100%のゾーンにあるはずだよね。その場合は「自分より弱いハンドにコールさせるベット」、バリューベットを打つことができるよ。
ちなみに、こういう「バリューベットにコールさせるハンド」のことをバリューターゲットっていうよ。

チンアナゴ

このときにブラフベットはできないの?

ジョーズ

ブラフベットは「自分より強いハンドをフォールドさせるベット」だから、70%の強さのハンドでブラフを成功させるためには、相手の80%とか90%の強さのハンドをフォールドさせなきゃいけないよ。でも、もちろんそんなことは無理だよね。だからブラフベットは成立しないんだ。

マージナルハンドとショーダウンバリュー

f:id:Poker_JAWS:20180830021605p:plain
ポストフロップのガイドライン②:ショーダウンバリュー
チンアナゴ

じゃあ、40〜60%はどうなの?

ジョーズ

40〜60%のゾーンは相手のレンジの真ん中あたりで、自分のハンドがこの領域にいるときは、相手に勝ってるのか負けてるのかよくわからないんだ。こういう微妙な強さのハンドを「マージナルなハンド」っていって、チェックが正しいアクションになることがほとんどだよ。

チンアナゴ

ふーん、ベットしてもよさそうな気がするけどね。

ジョーズ

こういう50%ぐらいの強さでベットすると、バリューにもブラフにもならないんだよ。ほら、以前にチンアナゴちゃんがAAを持ってて、J85Jのボードでオールインしたことがあったでしょ?

チンアナゴ

あったあった!ジョーズくんにボロカスに言われたやつね。

ジョーズ

相手のレンジにもよるけど、このボードでのAAの強さは50%前後でマージナルなんだ。そこでオールインしちゃうと、自分より弱いハンドはフォールドして、自分より強いハンドはコールされるから、どちらにしろ損するんだったよね。

オールインに対して相手は?

JJ(クワッズ)・・・・・・・コール
88(フルハウス)・・・・・・コール
KJ(トリップス)・・・・・・コール
◎チンアナゴちゃんのAAはこの辺の強さ
99(ツーペア)・・・・・・・フォールド
A8(ツーペア)・・・・・・・フォールド
AT(フラッシュドロー)・・・フォールド
76(ストレートドロー)・・・フォールド

チンアナゴ

あ、そっか。前に見せてくれたコレって、相手のレンジのランキング表だったんだね。

ジョーズ

うん、そういうことなんだよ。
マージナルなハンドはたくさんバリューが取れないし、かといってブラフをするほど弱くもないんだけど、出費を抑えてショーダウンまで行けばポットを取れるかもしれないし、相手のブラフをキャッチできるかもしれない。
そういう状態を「ショーダウンバリューがある」っていうんだ。マージナルなハンドはショーダウンバリューの代表格だね。

チンアナゴ

「曖昧な強さだけど、ショーダウンする価値がある」ってことなんだね。おっけー。

ブラフはアウツが大事!

f:id:Poker_JAWS:20180830021602p:plain
ポストフロップのガイドライン②:ブラフ
チンアナゴ

じゃあ、0〜40%はブラフをするの?

ジョーズ

うん、0〜40%のゾーンにあるハンドは自分より弱いハンドに対してベットをしても、コールしてくれそうにないよね。だからバリューベットはだめで、もしベットするなら自分より強いハンドをフォールドさせるベット、ブラフベットになるんだ。
特にストレートドロー、フラッシュドローなんかのアウツのあるハンドでのブラフベットを「セミブラフ(Semi-Bluff)」っていうよ。「準ブラフ」みたいな意味だね。

チンアナゴ

アウツを引いてフラッシュができたらうれしい、相手がフォールドしてもうれしい。セミブラフは二段構えなんだね。ねえ、アウツがないときはブラフしちゃダメなの?

ジョーズ

ダメじゃないけど、初めのうちはアウツがあるセミブラフが無難だよ。フラッシュやストレートが次のストリートで完成する確率が10〜20%ぐらいあるし、それに加えて相手がブラフに対してフォールドしてくれる確率もあるから、とても戦いやすいんだ。

チンアナゴ

「ドローが完成する確率+相手がフォールドしてくれる確率」がセミブラフの勝率なんだね。

ジョーズ

上級者になるともっといろんなハンドでブラフできるよ。例えば、何のドローもないハンドでフラッシュを装ってブラフしたり、リバーで弱いワンペアをあえてブラフに変えたりとかね。でも、最初のうちはそんなことをする必要はないんだ。特にコーリングステーションにそんなブラフをすると、痛い目に遭うからね。

チンアナゴ

じゃあ、アウツがない0〜40%のハンドはあきらめてフォールドしちゃうの?

ジョーズ

うん、初めのうちはそれでも問題ないと思うよ。

チンアナゴ

そっか、0〜40%のゾーンのハンドは全部ブラフベットをするのかと思っちゃった。

ジョーズ

そうじゃないんだ。ほかのゾーンのハンドもそうなんだけどね、今まで説明してきたバリュー・チェック・ブラフはあくまでもアクションの目安なんだよ。

チンアナゴ

目安ってどういうこと?

ジョーズ

0〜40%=ブラフ、40〜60%=チェック、60〜100%=バリューっていうのは結局、相手のレンジと比べて自分のハンドが強いor弱いって話をしてるだけなんだよ。

チンアナゴ

そりゃそうだよね。自分のハンドが強いからバリューベットを打つんだし、弱いからブラフするんだもん。

ジョーズ

でもね、状況によってはそれがベストなアクションじゃないときもあるんだよ。ほら、最初の回でこんな話をしたのを覚えてる?
チンアナゴちゃんはAKを持ってて、ボードがK932A。そして相手のハンドはQJであることが超能力でわかってると。

チンアナゴ

あー、そんなのあったねえ!もし相手のハンドを透視できるなら、どのアクションが正しい?みたいな。

ジョーズ

そうそう。ここでチンアナゴちゃんのAKは明らかに強くて、60〜100%のゾーンにあるでしょ?でも、だからといってチンアナゴちゃんがバリューベットを打つと、Qハイの相手はフォールドしちゃうよね。だから、利益を最大にする正しいアクションはチェックで、相手にブラフベットを打たせることなんだ。

チンアナゴ

そっか、確かに!

ジョーズ

つまりね、「60〜100%のハンド=バリューベット」っていうのは、「大体のケースはコレでOKだよ」っていうざっくりとした目安なんだ。でも時と場合によっては、もっとお得なアクションがあるんだね。

チンアナゴ

むう、自分のハンドが強いor弱いって話と正しいアクションがズレることもあるのか。

ジョーズ

そのとおり。ここで紹介する例外的ケースは次の三つだよ。

  1. ブラフが成功しそうにない:あきらめフォールド
  2. 超強いハンドでチェックorコール:スロープレイ
  3. ポーカーの定石:OOPノンアグレッサーのチェック
ジョーズ

次の章から一つずつ紹介していくね。

ブラフとあきらめフォールドの基準は?

ジョーズ

さて、1番のあきらめフォールドはさっきもちょこっとしゃべったけど、0〜40%ゾーンのハンドでブラフをせずにフォールドすることだよ。
「自分にアウツがない」「相手のハンドが強そう」「ポットに参加してる人数が多い」、この三つうち少なくとも二つが当てはまるなら、あきらめてフォールドしたほうがいいかもね。もちろん「自分にアウツがない」の一つだけでフォールドするのも悪くないよ。

チンアナゴ

「相手のハンドが強そう」って、具体的には?

ジョーズ

例えばこんなのはどうかな。

f:id:Poker_JAWS:20180614011242p:plain
ジョーズ

プリフロップではUTG+1がオープン、SBの自分は44で今回はコールしたよ。見てのとおり、フロップはハイカードだらけだね。

チンアナゴ

確かにこれはやる気がなくなるね・・・。

ジョーズ

もしUTG+1のオープンレンジがAA〜99、AJs+、KQsなら、自分の44は相手のレンジのすべてに負けてるよ。しかも自分の44にはアウツがほとんどないんだ。ここでは単にチェックして、UTG+1のベットにフォールドすればいいと思うよ。

チンアナゴ

うーむ、何でもかんでもブラフすりゃいいってもんじゃないんだね。

相手を罠にハメよう!スロープレイのすすめ

ジョーズ

さて、2番のスロープレイはチンアナゴちゃんが好きな話だと思うよ。

チンアナゴ

おっ、なになに?

f:id:Poker_JAWS:20180830200826p:plain
ジョーズ

チンアナゴちゃんはKKを持ってBUからオープン。BBだけがコールして、フロップでなんとクワッズができちゃいましたと。

チンアナゴ

ウオオオッ!バリュー!!バリュー!!!

ジョーズ

まあまあ、落ち着きなよ。チンアナゴちゃんのKKは確かに最強なんだけど、バリューターゲットがほとんどいないんだ。もしもチンアナゴちゃんがフロップ、ターン、リバーと連続でバリューベットを打ったとして、相手は5のワンペアや77のポケットペアで3回もコールしてくれるかな?

チンアナゴ

た、確かに・・・。

ジョーズ

それならフロップはあえてチェックして、ターン以降で相手にペアができるのを待ったり、相手にブラフさせるほうが得かもしれないよね。
しかも、ターンとリバーで何がめくれてもこちらのKKが逆転されることはまずないから、リスクもゼロだよ。

チンアナゴ

でもさ、相手が55を持っててフルハウスができてたら、フロップ、ターン、リバーで3回コールしてくれるんじゃない?

ジョーズ

相手がフルハウスを持ってる場合は、ターンかリバーでベットかレイズしてくれて、いずれにしろオールインまでいきそうだよね。だからバリューを取りそこねる心配はないと思うよ。

チンアナゴ

あ、そっか。じゃあ、ターンで相手にペアができたりブラフさせたりしたほうがお得かもね。

ジョーズ

100%に近いゾーンのハンド、ナッツ級のハンドであえてバリューベットを打たずにチェックすることをスロープレイっていうんだ。
スロープレイができる条件は「自分のハンドがナッツ級」「次のストリートでフラッシュやストレートに逆転されない」「IP(インポジション)に座っている」の三つだよ。
さっきのKKはこのすべてがそろってるね。

チンアナゴ

なーるほど。相手を罠にハメようってわけね。

ジョーズ

ちなみに、相手が重度のコーリングステーションの場合は、スロープレイせずにトリプルバレル(フロップ・ターン・リバーで連続ベット)を打つのもアリだよ。「ペアがあったら絶対フォールドしない」みたいなプレイヤーには特にね。

超重要!ノンアグレッサーのチェック 

ジョーズ

さて、3番のOOPノンアグレッサーのチェック、これは頻出かつ重要だから、ぜひ覚えておいてほしいな。このハンドを見てごらん。

f:id:Poker_JAWS:20180830200819p:plain
ジョーズ

プリフロップはHJがオープン、BBの自分はATsでコールしたよ。それでこれがフロップ。BBのアクションは?って状況だね。

チンアナゴ

お、ツーペアができてるね。

ジョーズ

このトップツーペアより強いハンドはAA、TT、77だけだよ。ボードテクスチャーもドライだし、明らかに60〜100%のゾーンになりそうだよね。さて、チンアナゴちゃんのアクションは?

チンアナゴ

え、バリューベットじゃだめなの?さっきのKKのクワッズと違ってバリューターゲットもいそうだし。ほら、AKとか。

ジョーズ

ううん、これはチェックが正解なんだ。確かに自分のハンドはバリューベットが打てるし、バリューターゲットもいそうなんだけど、利益を最大にする正しいアクションはチェックなんだね。

チンアナゴ

そうなの?どうして?

ジョーズ

HJのハンドを場合分けしてみようか。じゃあ、さっき言ってくれたAKを持ってるとするね。その場合、BBがベットするとHJは恐らくコールしそうだよね。でも、もしBBがベットせずにチェックすれば、HJはほぼ100%バリューベットを打ってくれるから、そのベットに対してレイズすれば利益が大きくなるよ。

チンアナゴ

えっと、BBが先に1ポットをベットすると、HJはコールしてポットは合計3ポット。
でも、BBがチェックしてHJが1ポットをベットすると、それに対してBBは3ポットのバリューレイズができて、HJがそのレイズにコールすれば、ポットは合計7ポットか。
確かにポットが大きくなってる

ジョーズ

じゃあ、今度はHJがマージナルなハンドを持ってる場合を考えてみようか。このボードテクスチャーだと、例えば99とかね。HJが99を持ってるときにBBが先にベットすると、HJはフォールドする可能性が高いと思うよ。

チンアナゴ

うん、もし私がHJならフォールドするかなあ。AとかTのワンペアに負けてるし、KJとかのストレートドローで強気にベットされてるかもしれんけど、99じゃあ勝率が悪そうだもん。

ジョーズ

いいところに気がついたね、そのとおりだよ。KJは99に現状では負けてるけど、アウツがあるんだね。KとJが3枚ずつ、ストレートを作るQが4枚、あとはレアケースだけど、ターンとリバーでAとTが落ちるとツーペアのKハイvs9ハイで勝てるよ。

チンアナゴ

じゃあ、KJのアウツは大体10枚ぐらいだから、勝率は10×4=40%もあるの!?

ジョーズ

そのぐらいだろうね。ってことは99はKJやKQに60%しか勝てないし、そもそもAやTのワンペアに負けてることも加味すると、かなりフォールドに寄りそうだよね。

チンアナゴ

なるほどねー。HJがマージナルなハンドを持ってるときは、BBがベットしても結局フォールドされちゃうと。

ジョーズ

うん。そうなるとBBのツーペアはそれ以上バリューが取れないから損だよね。
じゃあ、HJが弱いハンドを持ってる場合も考えてみようか。例えばQJsはどうかな。

チンアナゴ

Qハイだけど、Kが落ちたらストレートになるね。

ジョーズ

うん。ってことは、QJsはアウツがある0〜40%ゾーンだから、ブラフベットをしてくれるかもね。

チンアナゴ

っか!でもBBが先にベットしちゃうと・・・。

ジョーズ

QJsを持ってるHJはオッズが合わないからフォールドしちゃうってことなんだね。だからBBはチェックして、ブラフベットに対してレイズをしたほうが得なんだ。

チンアナゴ

なーるほど。結局、HJがどんなハンドを持ってたとしても、BBはチェックしたほうが得なのか。

ジョーズ

そういうことだね。もう一つ例を見てみようか。

f:id:Poker_JAWS:20180830200823p:plain
ジョーズ

プリフロップでタイトなHJがオープン、今度はBBから76sでコールしたよ。

チンアナゴ

まずは自分のハンドの強さを測るんだよね。現状は7ハイですごく弱いけど、フラッシュドローができてるね。だからアウツがある0〜40%のゾーンってことか。

ジョーズ

慣れてきたね、いい感じだよ。さて、BBのチンアナゴちゃんのアクションは?

チンアナゴ

アクションの目安はブラフベットだけど、今までの流れからするとこれもチェックなの?

ジョーズ

うん、チェックが正解だよ。まず、BBのチェックに対してHJがベットを打つレンジは60〜100%か0〜40%のゾーンだから、99、A9s、AA、KKみたいな強いハンドか、Kハイ、Qハイなんかの弱いハンドがあるよね。

チンアナゴ

HJはA9oを持ってないの?

ジョーズ

タイトなHJのオープンレンジにA9oは入りにくいと思うよ。
それでね、HJがそういうレンジを持ってるときは、BBはベットをするよりもチェックレイズしたほうが戦いやすいと思うよ。なぜなら9を持っていそうなのはHJよりもBBのほうだからね。
HJのオープンレンジに9があるとすればA9sと99ぐらいだけど、BBのコールレンジにはA9s〜97s、もしかしたらA9oやT9oもあるかもね。

チンアナゴ

うーん、確かに9を持ってそうなのはコールしたBBのほうだけどさ、でもどうしてチェックレイズがいいのさ?

ジョーズ

もしチンアナゴちゃんがA9sを持ってたとして、自分からベットするかな?

チンアナゴ

えっとそれは・・・さっきのATの話だと、チェックレイズしたほうがいい?

ジョーズ

うん。A9sはHJのベットを待ってからチェックレイズしたほうが得だよね。
でも、いつもいつも強いハンドだけでチェックレイズしてたら、相手に強いハンドを持ってることを読まれちゃうんだ。だから76sのような弱いハンドも強いハンドに混ぜてチェックレイズするんだ。そうすれば、BBは9のトリップスでレイズしてるのか、それともフラッシュドローでレイズしてるのか、よくわからなくなるよね。

チンアナゴ

なるほど、BBのチェックレイズがバリューかブラフかわかんなくなるんだね。

ジョーズ

そうすれば、ブラフを疑ってバリューレイズにコールしてくれる可能性が高くなるし、逆にバリューを怖がってブラフレイズにフォールドしてくれるかもしれない。こういうバリュー・ブラフのバランスの取れたレンジでチェックレイズするのがおすすめだよ。

チンアナゴ

ふーむ、0〜40%ゾーンのハンドでも結局チェックしたほうがいいんだね。

ジョーズ

うん。ついでに言うと、40〜60%ゾーンのマージナルなハンドをBBが持ってるときは、アクションの目安のとおりチェックを選べばいいよ。

チンアナゴ

あれ?ってことは、このBBは常にチェックするの?0〜40%でもチェック、60〜100%もチェック、マージナルなハンドはチェックなんだから。

ジョーズ

そういうこと。それが「OOPノンアグレッサーのチェック」ってことなのさ。

チンアナゴ

OOP?ノンアグレッサー?

ジョーズ

OOPは「アウトオブポジション」、ポストフロップで先にアクションしないといけないポジションのことだね。
ノンアグレッサーは「アグレッサーじゃないプレイヤー」のことだけど、アグレッサーは知ってる?

チンアナゴ

うーん、聞いたことある気がするけど・・・アグレッシブなやつのこと?

ジョーズ

アグレッサーっていうのは「プリフロップでは最後にレイズしたプレイヤー、ポストフロップでは最後にベットかレイズをしたプレイヤー」のことだよ。アグレッシブなプレイヤーのことではないね。
例えば、プリフロップでHJがオープン、BBがコールなら、フロップでのアグレッサーはHJだよ。もしフロップでBBがチェックレイズしてHJがそれにコールしたなら、アグレッサーは今度はBBになるよ。最後にレイズしたプレイヤーだからね。

チンアナゴ

じゃあ、「ポストフロップで先にアクションするポジションで、なおかつプリフロップでコールして参加したプレイヤーは常にチェックするべし」ってことなんかな。

ジョーズ

うまくまとめてくれたね、そういうことだよ。ポーカーの定石の一つだから、よく覚えておいてほしいな。
ちなみにOOPでノンアグレッサーのとき、自分からベットすることを「ドンクベット(Donk Bet)」って呼ぶんだ。

チンアナゴ

ドンクベット?どういう意味?

ジョーズ

「Donk」っていうのは「バカ・まぬけ」って意味だよ。ちなみに「ドンキーコング(Donkey Kong)」は「バカな猿の王様」。

チンアナゴ

ドンキーコングってただの悪口だったのかよ!じゃあドンクベットは「バカなベット」?

ジョーズ

チェックしたほうがいいのに、わざわざベットして利益を減らすなんてバカなやつ、っていうニュアンスはあるかもね。でも、ごくまれにドンクベットが正当化される状況もあるからね、一概にバカにはできないよ。

チンアナゴ

あれ、そうなの?チェックが定石なのでは?

ジョーズ

何にでも例外はあるのさ。例えば、OOPノンアグレッサーのレンジに有利なカードがターンで落ちたときとか、ドンクベットする状況がたまーにあるよ。でも細かいことだし、常にチェックしても大きな問題はないんだ。これについては超上級編(GTO編)で説明するかもね。

チンアナゴ

おっけー、細かいことは苦手だから全部チェックしよっかな。

ジョーズ

うん、それで全然いいと思うよ。
さて、長かったけど今回はここまでだよ、おつかれさま。
「ポーカーがわからない病」の原因は大きく分けて二つあってね、「自分のハンドが勝ってるのか負けてるのかわからない」「どのアクションを取ればいいかわからない」、このどちらかなんじゃないかな。今回の記事でその悩みを少しでも解消できれば幸いだよ。

チンアナゴ

ということで今日のまとめはこちら!

今日のまとめ

f:id:Poker_JAWS:20180820044216p:plain
ポストフロップのガイドライン①
f:id:Poker_JAWS:20180829034032p:plain
ポストフロップのガイドライン②
f:id:Poker_JAWS:20180829042243p:plain
ポストフロップのガイドライン③
今日のまとめ
  1. 自分のハンドの強さとアクションはある程度は対応してるよ
  2. ランキング表の0〜40%ゾーンはブラフ、40〜60%ゾーンはチェック、60〜100%ゾーンはバリューがアクションの目安だよ
  3. でも、アクションの目安と取るべき正しいアクションが一致しない例外もあるんだ
  4. 例外は3パターン:あきらめフォールド、スロープレイ、OOPノンアグレッサーのチェックだよ
  5. 特に「OOPノンアグレッサーのチェック」はポーカーの定石!覚えておけば楽に判断できるよ
ジョーズ

今回でポストフロップのアクションシリーズは終了だよ。
次回はこれまで解説したことを使った実戦問題を作ってみようかな。ポーカーはアウトプットも大事だからね。お楽しみに!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

©2018 PokerJAWS
※当サイトの文章、画像の無断転載は禁止です

コメント

コメント一覧 (4件)

  • 投稿ありがとうございます!!
    本当に勉強になることばかりで、とても助かります!!
    更新、楽しみにしています!

  • ほかのポーカー解説サイトよりもダントツでわかりやすいです!ハンドレビューのコーナーとかあればすごく助かりますm(_ _)m
    これからも応援しています!

  • ここまで長いなら会話型式で意味がー
    しかし日本語サイトでまともなのはここぐらいか・・
    次の記事に期待っww

  • むしろ長いからこそ飽きさせないために会話形式にしてるんじゃないかね

ハリルホジッチ へ返信する コメントをキャンセル

目次